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  • 執筆者の写真渡辺仁史

ガジュマルの樹の下で


非営利団体「しまのようちえん」(代表:村上佐恵子)が主催する子どもと一緒に楽しむワークショップの第3回目が、2018年8月25日(土)に白保のやちむん館のガジュマルの樹の下で開催されました。


やちむん館工房(白保)

私を含む「しまのようちえん」の立ち上げメンバーは3名ですが、当初から石垣島を舞台にして「うみもりそら」をプロジェクトコンセプトに掲げてキッズプロジェクトを展開しようと2016年の夏から活動を開始しました。そして、島を五感で感じるために毎年一つずつ、視覚、触覚、嗅覚、聴覚、味覚のどれかをテーマにしてそれぞれの感覚と空間とのコラボレーションを探ることでスタートしました。


2016年は「視覚」をテーマにイタリアからアーティストをお招きして全員で大きなキャンバスにお絵描きをしました。2017年は「触覚」を取り上げやはりイタリアのアーティストにお願いして自然素材によるモニュメントづくりをしました。

そして2018年の今年は「嗅覚」を取り上げることにしました。幸い、石垣島には世界的に活躍されている香りのアーティストの上田麻希さんが在住されていましたので、ぜひにとお願いして今回の企画が実現しました。今年のワークショップのタイトルは「香りのシャボン玉を飛ばそう」です。



香りを見る、そして触るというこれまでの視覚、触覚の両方の感覚のことも考えてくださり、シャボン玉を飛ばすという素晴らしい行動アイディアを提案してくださいました。モノの香りはいくつもの異なる香り分子からなっていますが、分解された基本的な五種類の香りを選んでくださり、それらを別々のシャボン玉としてみんなが一斉に飛ばすと、それらが弾けて空間で合成され、なんとバラの花の香りがするといった仕掛けです。



香りがその他の感覚の中では最も短時間に直接脳に働きかける重要な役割を担っているのですが、子供のうちから香りに意識を向けることの重要性も知ってもらうという意図もありました。そのため、試験紙に香りをつけて異なる香りを嗅いでみることからワークショップがスタートしました。



シャボン玉液との微妙なバランスを計量して用意していただいた五種類の香りのシャボン玉液を使って、いよいよ香りのシャボン玉を飛ばすゲームの開始です。



大人と子どもが代わる代わるシャボン玉を飛ばし、ガジュマルの樹の広場に漂ういくつもの香りが混ざり合った空気を嗅いで見ると、そこにはバラの香りはもちろん、場所によっては異なる花の香りがしたり、もっと別の記憶の中にある香りが蘇ったりと、時間を忘れてみんなで香りの空間を楽しみました。





香りがシャボン玉で視覚化され、それがガジュマルの樹の下の空間を時間をかけて漂い、やがて弾けて再び新しい香りとして存在するというとても興味深い体験をすることができました。何百種類もの香りを嗅ぎ分け、その性質も知り尽くした上田麻希さんにしかできない貴重なワークショップとなりました。本当にありがとうございました。



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