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  • 執筆者の写真渡辺仁史

うすだいだい色

今の子供に「はだいろ」って言っても通用しないって知っていましたか?




これを聞いた時に私は衝撃を受けました。JIS規格の256色の中にも「はだいろ」の色名は残っているし、日本の伝統色にも「はだいろ」はあります。そこで文具コーナーで色鉛筆やクレヨンを調べてみると、確かに「はだいろ」はありません。


ぺんてる社は平成11年から全ての製品において「はだいろ」を「ペールオレンジ」に変更し、トンボ鉛筆社は平成12年から「うすだいだいいろ」に変更したのだそうです。消費者から差別的だとの批判を受けて業界団体が協議した結果一つの名前には統一できずにメーカーごとの判断で名前を変更したとのことでした。



確かに肌の色という点では日本人でさえ白っぽかったり小麦色だったり様々な肌の色をしている人がいるのは事実だし、まして国際化すればこれまで「色」の分野で使われていた「はだいろ」という一つの色だけでは表現できないのも事実です。


しかし、だからと言ってこんなに簡単に「はだいろ」だけに限ってこれまで慣用的に使われてきた「はだいろ」表示を変えてしまって良いのでしょうか?では「茶色」っていうのはお茶の色を表現しているかって言われればお茶の葉っぱの緑色ではなくて土の色だし、「水色」っていうけれど水には色はついていないし、「空色」で夕焼けの空は表現できないし、、、、などなど様々な表現を改めて見直さなければいけないような気がします。


「はだいろ」という名称は、日本の伝統食の中で色の識別名としてずっと使われてきた色名で、この色で全ての人間の肌の色を表現できるわけではないことは暗黙の了解としてみんなが理解していたことではないでしょうか?消費者からの批判だと逃げ腰になるのではなくて、モノの名前としての「はだいろ」の存在をメーカーはもっと広報すべきではなかったのかと残念に思います。


では、海外ではと調べてみると、スキントーンとして肌の色を表現するだけのために12色あるいは15色の色鉛筆セットをメーカーが製造していることがわかりました。ドイツのLYRA社やファインテック社、イタリアのフィラ社の製品です。このような積極的な発想で肌色ではなくて「肌の色」を表現する製品作りをして欲しかったと思いました。



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