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執筆者の写真渡辺仁史

切る・折る

キッズユニバーシティのプログラムは、最初は「文字」つまりテキストという1次元の世界におけるクリエイティブを課題にしてきましたが、次回からは「点から線へそして面」へと思考を広げていこうと思っています。

そこで、まず「紙」を素材として、その「かたち」にどのような意味が込められているのかを実際に紙に触り、切り、折ることで実感することをテーマにします。日本の「折り紙」は今では世界中で「origami」として認知されているように、そこには形を作る無限の可能性が秘められています。

次回は、まず古典的な日本の正方形の折り紙からはじめ、折り鶴のような基礎的な折り方を再確認し、折って畳むことによって「面」が多様に変化することをみんなで確かめようと思います。宇宙で広げるパネルやアンテナに応用されている「面をたたむ」を実践します。

その時に、正方形の持っている形の特性、特に日本の美の中でそれがいかに大切に扱われ、その対角線が√2であること、それが西洋の動的な美しさと言われている黄金比ではなくて、日本の静的な美を形作った白銀比であることを実例から確かめるワークショップも行おうと思っています。それが、日本のハガキのサイズであり、またA4の紙のサイズが白銀比で正方形が元になっていることを手を動かすことで気づいてもらう課題を考えました。

その上で、「面」という2次元の世界は、面を切ったり、折ったり、組み合わせることで3次元の立体的な空間を形づくる課題作りに挑戦しています。まずはオランダのペーパーデザイナーであるPeter Dahmenさんの作品をトレースすることから始めますが、これを子どもたちが作業できる形にどのように持っていくか思案しています。

実際にこのデザインを自分で作ってみると、3次元の空間を構成した部材を全て平面状に展開すると無駄のない合理的な平面に置き換えることができることを知って、2次元から3次元の世界にあるいはその逆の形を作る発想が、これからの省資源でサスティナブルな空間づくりのヒントがたくさん含まれていることを実感しました。 このキッズユニバーシティでも最終的には、茶谷先生の「折り紙建築」をみんなで作ってみるところまで行きたいなぁと思っていますが、4月まで一ヶ月いろいろ試行してみます。



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