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執筆者の写真渡辺仁史

沖縄は長寿県?

昨日、建築雑誌社から「建築と健康」についての取材を受けた時、健康寿命の話題になったのですが、来られた編集社の方はお二人とも日本で一番長寿なのは男女ともに沖縄県と答えていました。 私も、2000年に石垣島に家を建てた時にはそう思っていました。でもそれからしばらくして講義用の資料を作成している時に、すでに2000年には沖縄県の男性の平均寿命は全国の26番目だということを知ってかなりショックでした。さっと調べたところではその原因として色々なことが言われていました。「ファストフード店が沖縄にできたからだ」とか「離婚率がトップなので強いストレスがかかるからだ」などなどです。その頃に私が勘違いしていたのは、男女平均と間違えたのかもしれませんが、女性の順位も全国のトップテンに入っていないと昨日までずっと思っていました。 ところがです。しっかりした統計データで確認しようと厚生省のホームページから都道府県別の平均寿命の推移に関するデータをダウンロードしてみたら、なんと大きな間違いをしていたことに気がつきました。男性の平均寿命は確かに最悪の下降線をたどっていましたが、女性については沖縄県が返還されてからは常に一位だったのです。ただし5年ごとに行われる国勢調査から集計して発表されている最新(平成22年時点)の集計によれば、沖縄県は女性も3位に後退しています(表1)。


昭和40年からこの生命表が発表されていますが、沖縄県のデータが含まれるようになった1975年からほぼ5年ごとの平均寿命の都道府県別の順位の推移をグラフにしてみました。



これを見ると、女性に関しては2010年までは全国1位でした。しかし、男性は1985年の集計で一回だけ1位になったものの、その後は全国の半分程度、前回に至っては47都道府県中30位と順位を下げています。長野県が最近はずっと1位なのですが県をあげての食生活の改善の取り組みがあったことを聞くにつけ、沖縄県の男性の食生活の改善が急務であることが明らかです。散々飲んだ後、最後の締めにステーキを食べるなんていうのは沖縄県ぐらいでしょうね。 とはいうものの、推移の順位ではなくて平均寿命の数値だけ見れば、もちろん年々上がっているのは確かで、沖縄県以上に他の都道府県では健康に関する県をあげての取り組みが少しずつ功を奏しているのではないかと推測されます。私も、島野菜をせっせと摂るようにして平均寿命のランクアップに貢献しようと思います。

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