この時期に石垣島のビーチに咲くクサトベラですが、どうして花が半分しかないのか毎年気になっていましたが、ハワイに素敵な伝説があることがわかりました。長文ですので、Tak Kahawai-Kula Nuiさんのブログから一部を引用させてもらいました。

ーここから引用ー
もともとオーストラリアが原産らしい、日本語の『クサトベラ』という植物の仲間で、 ハワイに数種類生息しているが、主に2種類で、ひとつは海辺に、もうひとつは逆に溶岩の台地に生育する。海辺の『ビーチ ナウパカ』(Naupaka Kahakai) の写真を見てもらいたい。花びらが半分しかないようにみえる。
溶岩台地に咲く『マウンテン ナウパカ』(Naupaka Huahekili uka)も同様に花びらが 半分しかないような花を咲かせます。両方の、つまりKahakai とHuahekili uka の花びら二つを合わせてやってひとつの丸い花になるようなのです。 実はこの花には、幾つかのちょっぴり悲しく、せつない恋にまつわるハワイアンの伝説が あります。代表的なお話を紹介しましょう。
昔、深く愛し合ったハンサムで逞しい青年と美少女がいました。二人は将来を誓いあっていたのです。キラウエア火口に棲む火の女神、『ペレ』はある時、偶然この青年に出会ってしまいます。人目惚れでした。ペレは、美女に変身して、この青年の前に現れて気を引き結婚を迫ろうとしましたが、青年の心を変えることは出来ず、愛し合う二人の仲を裂く事は出来ませんでした。
短気で、嫉妬深く、独占欲が強い『ペレ』は怒り狂い、青年に燃え盛る溶岩流を投げつけ、山に追い込んで行った。このままでは青年は溶岩に飲み込まれてしまう。 あまりの『ペレ』の理不尽さに心痛めたペレの妹達は、一計を案じ、命だけは救ってあげようと青年を植物に変身させてしまったのである。
怒りの収まらない『ペレ』は今度は美少女を追いかけた。美少女は海に向かって逃げたが、灼熱の溶岩の中に消えそうになる。再び、姉のあまりの惨さに、『あわれ』と思った ペレの妹達は、美少女を植物に変えてあげた。 それから数ヶ月後、山の植物に花が咲いた。白い花である。花びらは半分しかない。何かを訴えているかのような『山のナウパカ』である。
そして、なんという事であろうか。前後するように、海辺にも 花びらが半分しかない 『海辺のナウパカ』が咲いた。 いつしか、人々は山の半分の花びらと海辺の半分の花びらを合わせると、冷えてしまった恋人の心が自分再び自分に戻ってくるとか、離れ離れになっている恋人に再会できるとか、天国では必ず魂が結ばれるなどと信じるようになったと言われています。
ー引用ここまでー
これまでも概要はわかっていたのですが、ここまできちんと説明されたものは初めてでした。最近この手の話にはあまりお目にかからなかったので、この花のおかげで何となく豊かな気持ちになれました。
ところで、この写真には葉っぱと同じ色をしたカマキリ(A)と、クサトベラの花に特徴的なアンテナ(B)が写っているのが分かりますか?このアンテナは柱頭になっていて、ここに花粉を溜めるようになっているのだそうです。この受粉システムは調べるととても興味深いです。

Comments